◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第43号:2014.1.26        〜 論理的思考 −ロジカルシンキング− 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 論理的思考 −ロジカルシンキング−  ■ Spine Dynamics 療法認定制度 いよいよ登録開始します!  ■ Spine Dynamics 療法研究会が発足しました  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────         ■ 論理的思考 −ロジカルシンキング− ■ ───────────────────────────────────   セラピストがアプローチを実施する際、多くの方法から最も有効であろう  と思われる手法を選択します。この選択は患者の治療成果や予後に直結する  ため、臨床で結果を残すには、そのケースあったアプローチ方法を選択する  能力が求められます。アプローチ方法は評価結果を基に決定しますが、この  過程には得られた評価から必要な情報を抜粋し、その情報を統合、解釈する  ことが重要になります。複雑な考えを整理してわかりやすくすることを論理  的思考(ロジカルシンキング)と呼び、今回はその論理的思考について紹介  いたします。  1.論理的思考とは?   論理的思考は「物事を考える際に複雑なものを分類し、整理して組み立て、  分かりやすくする」と言われています。さらに、その過程において思考の偏  りを無くすため、批判的思考(クリティカルシンキング)を組み合わせるこ  とで、適切な基準や根拠に基づき論理的かつ偏りなく思考することが可能に  なってきます。  2.論理的思考のメリット・デメリット   論理的思考のメリットは、1)現状を把握しやすくなる、2)問題点に対  する対応策や優先順位を決めやすい、3)目標設定が明確になる、などがあ  げられ、デメリットは、1)思考過程において間違った情報を事実と捉えた  場合に見当違いの結論となる、2)思考の多様性に欠け画一的になる、3)  解答までに時間を要する、などがあげられます。  3.論理的思考の展開パターン   論理的思考法には演繹法と帰納法があり、以下のような特徴がみられます。  1)演繹法(三段論法)    一般論と観察事項の二つの情報を関連付け、そこから必然的に結論を導    き出す思考法。    例 一般論 : 肩関節周囲炎は安静時痛と可動域制限がみられる      観察事項: Aさんは右肩に安静時痛と可動域制限がある      結論  : Aさんは肩関節周囲炎である  2)帰納法    複数の事実から共通点に着目し、そこから推論を立て、無理なく言えそ    うな結論を導き出す思考法。    例 事実: 肩の骨・関節の組織破壊は安静時痛を起こした          肩の筋・靭帯の組織破壊も安静時痛を起こした          肩の神経系の組織破壊も安静時痛を起こした      推論: 組織損傷破壊が起きたから安静時痛を起こした      結論: 組織破壊の疼痛は安静時痛である   演繹法は一般論と観察事項から自動的に結論が導き出します。それに対し、  帰納法は主張が弱くならないようにしながらも推論が飛躍しないようにする  必要があります。この両者は対立しているようにみえますが、推論を行う際  には適している方を選ぶという関係であり、状況に応じた活用が有効とされ  ます。   論理的思考は、物事をモレなく効率的に考える上で大切な思考法であり、  他人に考えや意見を伝える場合に活用します。例えば、患者への状態説明や  他部門との情報交換の際に利用すれば相手からの理解、共感を得やすく、信  頼関係を築きやすくなります。このように論理的思考で考えをまとめておく  と臨床のみならず様々な場面で活用できるため、論理的思考のメリット・デ  メリットを理解して、日頃から道筋を立てて考えることが重要ではないかと  考えます。   次回は論理的思考を身につけるために日頃から行えるトレーニング方法に  ついてお話したいと思います。  【参考引用文献】   1)岡田 亨:痛みに対する理学療法の考え方―クリニカルディシジョン     メイキング―、理学療法 23−1:51‐57、2006 ───────────────────────────────────    ■ Spine Dynamics療法認定制度 いよいよ登録開始します! ■ ───────────────────────────────────   Spine Dynamics療法認定とは、心と体のリハビリテーション研究会が、  Spine Dynamics療法の普及と発展を通じ、セラピストの育成と患者様や利用  者様の QOL向上に寄与するため、Spine Dynamics療法の理論と実践に基づい  たケアサービスの提供ができる施設およびセラピストを認定し、登録するも  のです。   Spine Dynamics療法認定制度には、Spine Dynamics療法を実施する施設を  認定・登録する「Spine Dynamics療法実践施設」と、セラピストを認定・登  録する「Spine Dynamics療法セラピスト」(認定資格および上級認定資格の  2段階)があります。認定施設および認定資格セラピストは、当ホームペー  ジで公表いたします。   認定制度の詳細および申請方法は、ホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kcst/ ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日   鹿児島: 2月 1日〜 2日 かしんアイホール、鹿児島医療福祉専門学校   北九州: 2月 8日〜 9日 小倉リハビリテーション学院   別 府: 2月16日    ビーコンプラザ   長 崎: 3月 1日〜 2日 こころ医療福祉専門学校   米 子: 3月 7日(概論)社会医療法人仁厚会 米子東病院   米 子: 3月 8日〜 9日 鳥取大学医学部付属病院   福 岡: 3月15日〜16日 福岡リハビリテーション専門学校   宮 崎: 3月22日〜23日 【満員御礼】   香 川: 3月29日〜30日 穴吹リハビリテーションカレッジ  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/  ◇各会場ともお申込みが大変多くなっています。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────       ■ Spine Dynamics 療法研究会が発足しました ■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の姉妹研究会として、Spine Dynamics  療法研究会(Spine-ken:スパイン研)が発足しました。   KOKO-KARA 研究会主催の特別研修会の内容を臨床現場で活用し易くするた  めに、より具体的な手技と手法を研究し、その成果をセミナー形式で普及い  たします。   三島研修会:2014年 2月16日(日) 10:00〜16:00【受付中】  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/spine-ken/   スパイン研公式Facebookサイト   http://www.facebook.com/spineken ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook 好評配信中!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   近年、根拠に基づいた医療(EBM)の実践への取り組みが重要視され、セ  ラピストの論理的思考がより重要になっています。   しかし、治療を進めるうえでの意思決定者は患者であることを忘れてはい  けません。   セラピストがいかに論理的な治療内容や予後予測をしたところで、患者が  理解できる内容に簡略化し、その内容を伝えることができなければ最高の成  果を得ることは難しくなります。   つまりセラピストには「考える力」と同程度の「伝える力」を習得するこ  とが重要ではないでしょうか。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後、このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/       facebook: http://www.facebook.com/kokokaraken *********************************************************************