◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第40号:2013.7.28            〜 リスクマネジメント 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ パラダイムシフト  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────             ■ パラダイムシフト ■ ───────────────────────────────────   我々は臨床に限らず問題に直面すると、様々な解決方法を思案しますが、  その解決方法は大別して2つに分けられます。一つは今まで通りの方法を積  み上げて問題を解決すること、もう一つは今までの方法を変えて効率的な方  法で問題を解決すること。これまでの科学・医学などの歴史を見直すと、学  問の大きな発展に関しても同じような問題解決方法があることがわかります。  〜科学の革命的発展、「パラダイムシフト」〜   科学が大きく発展する際に多くの場合「パラダイムシフト」という現象が  生じます。パラダイム(Paradigm)という言葉は、1962年に科学史家のトー  マス・クーン(Thomas kuhn)によって提唱された科学史上の概念です。  現在では、さまざまな分野で用いられ、主にモデル、理論、既成概念、仮定  などの言葉に置き換えられ、一般的には「世界を見る見方」とも言い換える  ことができます。   ではなぜこのような言葉が生まれたのでしょうか。科学というものの発展  には大きく分けて2種類あります。一つは「累積的」なもの、もう一つは  「革命的」なもの。一つ目の累積的な科学の発展は「通常科学」ともいわれ、  通常科学は「特定の科学者集団が一定期間、一定の過去の科学的業績を受け  入れ、それを基礎として進行させる研究」と説明できます。2つ目の革命的  なものはその言葉の通り、常識とされていた見方そのものが変わる(シフト)  ことを示し、科学される対象が通常科学的な発展では説明できず、新たな理  論により説明されます。これは通常科学に対して「異常科学」とも呼ばれ、  異常科学は成立当初、異端視されますが、通常科学としての体制を整えるこ  とで、権威を獲得し、通常科学として承認されます。これが科学の発展の中  で生じるパラダイムシフトです。  〜「天動説」、「地動説」〜   一般的に知られている大きなパラダイムシフトの一例は、「天動説」と  「地動説」です。天文学の起源は紀元前にさかのぼりますが、初期の学説で  は天動説が一般的であり、これは長く信じられていました。しかし、17世紀  頃に徐々に地動説を証明する研究が進み、天文学上の理論の説明に優れてい  るとされ、天動説は過去のものとなりました。このように、天文学に限らず、  科学・医学にも同様にさまざまなパラダイムシフトが起こり、現在に至って  います。では、私たちの行っている医学とはどのような歴史を辿ってきてい  るのでしょうか。  〜医学の発展と患者の見方〜   古代の医学では全体観(ホリズム)という立場から、病気とは全身が病ん  でいて、それが人それぞれで異なるという見方をしていました。その後、ヒ  ポクラテスを筆頭に体液病理説が提唱され、徐々に生理学・病理学が成り立  ち、外科と内科の統合(局所と全体を見ることの統合)、科学革命(実証主  義の加速)による影響などを経て医学が発展してきています。   現在、我々の行う治療とは基礎医学である解剖学、生理学、病理学などを  基に成り立っています。これは医師が患者の病態を診断し、医療行為を行う  際には適した見方かもしれません。しかし、我々セラピストはその病気の成  り立ち、機能障害の成り立ち、それらの相互関係を理解し身体機能の改善を  行う必要があります。すなわち解剖学的(局所的)な見方のみで人の体を治  る方向へ導くというのは難しいのです。   セラピストが用いる医学書の目次を見て、筆者は違和感を覚えることがあ  ります。頸椎、胸椎、腰椎などの骨格形態上の分類で、それに終始した評価  ・治療が記載されています。しかし、機能的な分類をした際には解剖学的分  類で項目を分けることが適切でしょうか。例えば頸椎に付着する筋群が胸郭  から起こることを考えれば、頸部周囲の筋緊張は胸郭の可動性の影響を受け  ると容易に理解できます。さらに胸郭は呼吸器として自律神経系の影響を大  きく受けることも忘れてはなりません。病態に対する理解を、患部の解剖学  から学ぶことはもちろんですが、臨床応用を念頭に置き身体機能を考慮した  知識・技術の学習が可能な形に変化していくことが必要であると感じます。  〜これからの医療、セラピストの発展〜   天動説の際に積み上げてきた業績が全く無駄だったわけではありません。  その時に作られた法則や理論などは地動説においても応用が可能でありまし  た。我々セラピストもこれまでに積み上げてきたものを応用し、革命的な発  展を遂げられるようにパラダイムシフトを起こし、より高度なセラピーが患  者・クライアントに提供されるべきではないでしょうか。そのために、様々  な理論・概念が提唱されています。脇元幸一の提唱するSpine Dynamics療法  は現在の医療界にパラダイムシフトを起こすものだと確信しています。古代  医学にあったホリズムを彷彿させるかのように、患部だけに捉われず全体を  見ること、地球上での原則を考慮したヒトの体の捉える事がパラダイムシフ  トの一つのきっかけになると思います。    著者より  「7つの習慣」著者、スティーブン・コヴィー氏の言葉より「問題の見方こ  そが問題である」とある。我々は何を問題としているか、その見方は正しい  であろうか、表面的な問題にばかり対処してしまってはいないか。表面下に  ある問題に対処する時間と技術、心構えの準備ができているであろうか。変  化を起こす、業績が上がる、人が治るとは・・・。常に自らのパラダイムに  問いかけ、患者・クライアントとともに自身の発展を楽しむ事が、充実した  セラピストライフへ導いてくれると考えている。 ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日   熊 本: 8月11日    介護老人保健施設 ケアセンター 赤とんぼ   沖 縄: 9月 7日    北部地区医師会病院   沖 縄: 9月 8日    医療法人信和会沖縄第一病院   札 幌: 9月21日〜22日 札幌リハビリテーション専門学校   長 岡: 9月28日〜29日 日本赤十字社 長岡赤十字病院   別 府:10月12日〜13日 新別府病院   東 京:10月26日、27日 東京メディカル・スポーツ専門学校   熊 本:11月 9日〜11日 九州中央リハビリテーション学院   広 島:11月23日〜24日 医療法人社団飛翔会 寛田クリニック(準備中)  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/  ◇各会場ともお申込みが大変多くなっています。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************