◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第33号:2012.11.3          〜 ゴール設定のための問診法 (1) 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ ゴール設定のための問診法 (1)  ■ 第4回 姿勢制御アプローチ講演会 2012 参加者募集中!  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────           ■ ゴール設定のための問診法 (1) ■ ───────────────────────────────────   リハビリテーションを進めるに際し、患者のモチベーションを高めること  が重要なのは周知の通りです。本メールマガジンでも、「患者のモチベーシ  ョンコントロール」(第20号参照)でその必要性をお話ししています。その  中で、具体的にモチベーションを保つための7つの方法を取り上げ、ゴール  設定や再確認の重要性をお話ししましたが、今回はそのゴール設定をするの  に不可欠な問診法について考えていきたいと思います。   まず、ゴール設定は、現在障害となっている事柄に対し患者がこれからど  のように向き合っていくかを決定するための非常に重要なポイントとなりま  す。そのため、患者が「障害」をどのように捉えているのかを知ることが必  要となります。   EBM を重視し、機能的な評価を行うことは、アプローチの選択や、効果判  定、ゴール設定に不可欠であり、リハビリテーションを行う上で特に重要で  あることは言うまでもありません。しかし、評価には、質的(定性的)、量  的(定量的)なものに2分できないものが多く、全てを数値化することは困  難です。これを無理に全て数値化し、リハビリテーションを進めてしまうと、  患者の主観から離れ、一方的なアプローチとなってしまうことが考えられま  す。そこで、患者と対峙する際にまず始めに行う問診について考えます。  ●Open question(開かれた質問)   理学療法評価を行う時点で、日本ではすでに医師の診察後、診断名がつい  た状態で患者と対峙します。この場合、セラピストは「今、あなたの主な問  題はどこですか?」、「どこの具合が悪いですか?」などと質問すると、患  者に「また同じことを話さなくてはならない」、「医師から伝わっていない  のではないか」と感じられてしまうのではないかと、一歩引いてしまうこと  が少なくないのではないでしょうか。しかし、これらの患者との first  contact である問診で一歩引いてしまうと、的確なアプローチをするどころ  か、どこに向かって進めていけばいいのかも曖昧なまま、闇雲に評価・治療  を進めていくことになる可能性があります。   Open question は患者が痛み、できない動作をなぜ問題と感じているのか  など、リハビリテーションを行う根本的な要素を聴取する機会となります。  このような初めの Open questionこそ患者とセラピストが、現在の主訴とリ  ハビリで達成したい目標を共有する手法であると言えます。   Open question はカウンセリングにおける質問技法で、円滑なコミュニケ  ーションを促進するための会話術やコーチングの中でも取り上げられ、相手  をスムーズに対話に誘うための技法とされています。返答内容を相手に委ね、  「具体的にお話いただけますか?」と具体例を引き出す質問や、「それでど  うなりましたか?」と経過を聞く質問、「どのように感じましたか?」と感  情を聞く質問のタイプがあります。返答が“Yes”、“No” のみで答えられ  ないので、こちらからの質問に対する返答は様々な情報を含んでいる可能性  が高く、その後の会話の深まりが期待できます。この Open questionによっ  て優先して評価し、改善を図る動作をしっかりと特定することができます。   漠然とした「改善」というゴールのない目標を追いかけるのではなく、患  者が求めているものを把握し、優先順位を確認して目標設定、アプローチを  進めていくことが必要であると考えます。 ───────────────────────────────────     ■ 第4回 姿勢制御アプローチ講演会 2012 参加者募集中! ■ ───────────────────────────────────   今回で4回目を迎える第4回姿勢制御アプローチ講演会は「心と体のリハ  ビリテーション」そのものをテーマとしました。   PTが患者に行う心の気づき(障害形成心因的プロセス)誘導の大切さ、  心が及ぼす体の影響、心と体の接点は何なのか?以上の具体的な評価、治療  アプローチ法まで紹介します。   これまで心が及ぼす身体機能への影響を加味しにくかった現場アプローチ  に革命的一歩となる治療技術を提供します。  ◇ 開催期日    2012年11月18日(日)福岡:福岡国際会議場  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/shiseiseigyo/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日    長 崎: 12月 1日〜 2日 小栗ふれあい会館   熊 本: 1月13日    介護老人保健施設 ケアセンター 赤とんぼ   西 宮: 1月20日    平成リハビリテーション専門学校 New!福 岡: 2月 2日〜 3日 福岡リハビリテーション専門学校 New!宮 崎: 2月23日〜24日 JA・JAMホール、宮崎リハビリテーション学院 New!福 岡: 3月16日〜17日 福岡リハビリテーション専門学校  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   その第1弾となる「Spine Dynamics療法福岡特別研修会」をはじめ、豊橋、  米子、宮崎で開催いたします。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は、ゴール設定のための問診法として必要と思われる概念である  Open question についてお話ししました。臨床において、症状やリハビリテ  ーションに対する患者の考えを引き出し、優先して改善を図るべき問題を特  定することができる方法であると考えます。   次回は問診の際、必要であろう項目と Open questionの例を挙げ、問診の  具体的な方法についてお話していきます。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************