◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第32号:2012.10.8          〜 匂いが自律神経へ与える影響 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 匂いが自律神経へ与える影響  ■ 第4回 姿勢制御アプローチ講演会 2012 参加者募集中!  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────           ■ 匂いが自律神経へ与える影響 ■ ───────────────────────────────────   疼痛を有する患者では体性神経反射や自律神経反射が亢進することが知ら  れており、リハビリテーションを進めていく上ではこれらの反射抑制が重要  であります。しかし、自律神経系に対してアプローチする手法は多くなく、  臨床でも苦渋しやすいのが現状です。呼吸法による自律神経系のコントロー  ルが一般的で行いやすいものとして挙げられます。しかし、過度な交感神経  活動の亢進が起きている状態では、呼吸法による自律神経系のコントロール  が難しくなる場合があります。そのような時に呼吸と同時に与えられる刺激  である匂いを応用することで、自律神経系のコントロールが行いやすくなり  ます。匂いが自律神経に与える影響は大きく、アロマテラピーが普及したこ  とにより様々な研究が行われています。そこで今回は、匂いが与える自律神  経系への影響について考えます。  <匂いと自律神経>   匂いが与える心身への影響とはどのような仕組みなのでしょうか。   心地の良い匂いを嗅いだ場合では副交感神経の活動を高め(1回換気量向  上、呼吸数減少)、逆に不快な匂いでは交感神経を亢進させる(1回換気量  減少、呼吸数増加)ことが分かっています。しかし、個体差も大きく生活環  境や嗜好により心身へ影響が異なるといわれています。   匂い物質の刺激は嗅毛にて受容し、嗅細胞がインパルスを生じ、嗅球へ達  します。嗅球からの二次ニューロンが大脳辺縁系や大脳皮質の嗅覚野(眼窩  前頭回)へ達します。大脳辺縁系への刺激は、「良い匂い・悪い匂いだ」な  どと知覚し、大脳皮質では「これは〜の匂い」と認知します。匂い刺激から  のインパルスは嗅球を介し、大脳辺縁系への刺激が直接的の行われることに  より自律神経や内分泌(ホルモン)機能の調節や、本能行動の制御を行う大  脳辺縁系の働きを通して生体では様々な反応を生じます。アロマテラピーで  はこれらの特徴を活用し、心身をリラクゼーションさせ、生体を正常化させ  ます。   匂い刺激からは、主に以下の効果があるとされています。   ・鎮静作用(神経系の鎮静)   ・鎮痛作用(痛みを和らげる)   ・鎮痙作用(筋肉の緊張を緩める)   ・ホルモン調整作用(ホルモン分泌の調整)   ・強壮作用(体の各部や全身を活性、強化)   ・免疫賦活作用(免疫の働きを強め、活性化する)   ・利尿作用(尿の排泄の促進)   また、近年ではアロマテラピーは認知症緩和の効果があるという報告もあ  ります。嗅覚に関する研究も更に進んでおり、代替医療として注目を集める  アロマセラピーはこれから医療の分野でも応用の範囲が拡大することが予想  されます。  <まとめ>   以前にも紹介した呼吸法の他にもリラクゼーションをもたらす方法は、胸  郭ストレッチや匂いを応用したアプローチなど方法は様々です。運動器へ着  目することが多いリハビリの現場でありますが、私達は様々な観点からアプ  ローチすることで生体に対して望ましい効果を引出す必要があります。アロ  マテラピーは一つの方法論であり、日常からできることは多々あるかと思い  ます。お香の香りやお風呂のヒノキの香りなど日本人特有のリラクゼーショ  ンの方法もあります。   みなさんも是非一度、呼吸や匂いを応用したリラクゼーションにチャレン  ジして現場で応用してみてください。  <参考文献>  1)星 賢治ほか:呼吸筋ストレッチ体操が自律神経系に与える影響。広島    スポーツ医学研究会誌 12(12)、2012  2)北野晃祐ほか:筋萎縮性側索硬化症に対する咳嗽運動が呼吸機能と自律    神経系機能へ及ぼす効果。理学療法学 27(2)、155-160,2012  3)長井 克也:匂い、食品と音楽の自律神経と生理機能に与える影響。    Trace Nutrients Research 24,10-13,2007  4)花井丈夫ほか:重度脳性麻痺児の呼吸障害の対策と経過の検討―経鼻咽    頭エアウェイと胸部理学療法―。理学療法学 19(1)、1992 ───────────────────────────────────     ■ 第4回 姿勢制御アプローチ講演会 2012 参加者募集中! ■ ───────────────────────────────────   今回で4回目を迎える第4回姿勢制御アプローチ講演会は「心と体のリハ  ビリテーション」そのものをテーマとしました。   PTが患者に行う心の気づき(障害形成心因的プロセス)誘導の大切さ、  心が及ぼす体の影響、心と体の接点は何なのか?以上の具体的な評価、治療  アプローチ法まで紹介します。   これまで心が及ぼす身体機能への影響を加味しにくかった現場アプローチ  に革命的一歩となる治療技術を提供します。  ◇ 開催期日    2012年11月 4日(日)東京:JA共済ビルカンファレンスホール    2012年11月18日(日)福岡:福岡国際会議場  ◆ 早期申込み割引は 10月19日 まで。お早めにお申込みください!  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/shiseiseigyo/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日    米 子: 10月13日〜14日 米子東病院、YMCA米子医療福祉専門学校    大 阪: 10月20日〜21日 ミナト医科学株式会社 本社    熊 本: 10月28日    介護老人保健施設 ケアセンター 赤とんぼ    長 崎: 12月 1日〜 2日 小栗ふれあい会館 New!熊 本: 1月13日    介護老人保健施設 ケアセンター 赤とんぼ New!西 宮: 1月20日    平成リハビリテーション専門学校    ※1/13熊本、1/20西宮のお申込み受付は、ただいま準備中です。  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   その第1弾となる「Spine Dynamics療法福岡特別研修会」をはじめ、豊橋、  米子、宮崎で開催いたします。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は呼吸に関連した器官から自律神経系への影響をお伝えしました。   生活習慣病とも捉えることができる慢性疼痛疾患。光や匂いなど、私たち  が何気なく受けている刺激が生体へ与える影響は絶大で、患者を治癒の方向  へ導く為には避けては通れない事柄であります。   患者の状態をより深く理解する為にも私たちセラピストは常日頃受けてい  る刺激が生体にどのような影響を与えているのか感じ、生体に対する理解を  深める必要があるのではないかと考えます。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************