◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第29号:2012.5.1         〜 痛みの種類と特徴 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 痛みの種類と特徴  ■ 第4回 姿勢制御アプローチ講演会 2012 開催決定!  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────             ■ 痛みの種類と特徴 ■ ───────────────────────────────────   痛みについて我々セラピストは、一般的な臨床現場において、様々な評価  方法を用いてその発症要因を推察し、治療ならびに指導を行っていきます。  その際、ほぼすべての症例に対して痛みと対峙することが求められ、痛みの  種類によってアプローチの選択を行っています。   しかし、痛みには器質的に見える痛みと見えない痛みが存在するため、時  として治療成績の遅延や症状寛解に困難を要し慢性化に至ってしまうケース  も経験していることと思います。   痛みを分類すると   1)侵害受容性疼痛   2)神経因障害性疼痛   3)心因性疼痛  の3つに分けられ、それぞれ痛みの特徴を有しています。  1)侵害受容性疼痛   侵害刺激とは痛みの原因となる物理的刺激のことで、痛みを起こし得るエ  ネルギー媒体は、熱エネルギー、化学的エネルギー、機械的エネルギーがあ  ります。それぞれの刺激が自由神経終末の侵害受容器を興奮させることによ  って電気エネルギーに変換され、求心性線維によって中枢へと伝達されます。   侵害受容性疼痛は、損傷した組織が求心性のC線維(無髄)やAδ線維  (有髄)を刺激して生じるものであり、一般的に組織損傷の発現、炎症、修  復に関係した痛みのことをいいます。   痛覚線維の分布は、関節包、靭帯、骨膜、滑液包、腱、筋を包む結合組織  や、筋・腱移行部にみられ、物理的刺激や、虚血状態または運動後に生じる  代謝産物の蓄積によってもおこり、局所的筋内圧上昇に反応するといわれて  います。   炎症がある場合は、求心性の線維が通常よりも敏感となり、わずかな運動  範囲で過敏に反応することが特徴です。また、損傷した組織に機械的な刺激  を加えることで疼痛が増強し、損傷が治癒していくのに伴って疼痛は消失し  ます。  2)神経障害性疼痛   神経障害性の痛みは、神経系の一次的な損傷やその機能異常が原因となる、  もしくはそれによって惹起される疼痛とされており、原因としては多彩です。  多くの疾患により発症し、末梢神経系の障害性のものと中枢神経系の障害性  のものがあります。   末梢神経性のものとして、糖尿病性ニューロパチー、帯状疱疹後神経痛、  幻肢痛、坐骨神経痛などが挙げられ、中枢神経性のものとしては、脊髄損傷  後痛、視床痛、三叉神経痛などがあります。   また、CRPS(第24号参照)やアロディニア(触刺激など非侵害刺激により  痛みが誘発される状態)、痛覚過敏(痛みの閾値が低くなっている状態)は  侵害受容性疼痛と、神経因性疼痛の両病態を混合したものとして混合性疼痛  と呼ばれることもあります。  3)心因性疼痛   心因性の痛みは、感情によって影響される痛みをいい、疲労や衰弱によっ  て増強させられます。特に最近では、中枢神経系に生じた可逆的変化や心理  的機序による歪みが生じた「神経系の異常」として捉えられています。   これら痛みの特徴を、我々が日々対峙している患者様の症状に照らし合わ  せ、器質的な損傷、機能障害を起こした部位を特定し、治療方針を絞ること  ができます。しかし、明らかな外傷を除く疼痛に関しては、発症した原因が  不明なまま訴えに応じたアプローチを行い、思ったような治療効果が得られ  ずアプローチに苦渋することもあるかと思います。目に見えている痛みは表  面に浮き出てきた結果であり、痛みが起こった過程・根因を探ることで本来  の治療方針が見えてくるのではないでしょうか。 ───────────────────────────────────      ■ 第4回 姿勢制御アプローチ講演会 2012 開催決定! ■ ───────────────────────────────────   今回で4回目を迎える第4回姿勢制御アプローチ講演会は「心と体のリハ  ビリテーション」そのものをテーマとしました。   PTが患者に行う心の気づき(障害形成心因的プロセス)誘導の大切さ、  心が及ぼす体の影響、心と体の接点は何なのか?以上の具体的な評価、治療  アプローチ法まで紹介します。   これまで心が及ぼす身体機能への影響を加味しにくかった現場アプローチ  に革命的一歩となる治療技術を提供します。  ◇ 開催期日    2012年 9月 9日(日)京都:京都テルサ    2012年11月 4日(日)東京:JA共済ビルカンファレンスホール    2012年11月18日(日)福岡:福岡国際会議場  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/shiseiseigyo/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日     札 幌: 5月19日〜20日 札幌市教育文化会館【早割 5/12まで】     福 岡: 6月16日〜17日 福岡リハビリテーション専門学校     別 府: 6月23日〜24日 新別府病院     東 京: 7月28日〜29日 東京メディカル・スポーツ専門学校     鹿児島: 8月 5日    清泉クリニック整形外科  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   その第1弾となる「Spine Dynamics療法福岡特別研修会」をはじめ、豊橋、  米子、宮崎で開催いたします。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は様々な原因で起こる痛みについてお話してきました。   痛みは不快な感覚として認識されますが、痛みは体にとって決して危害を  加えるためだけに起こる反応ではなく、身体の防御反応とも受け取ることが  できます。   セラピストによって手法は様々ですが、目の前の患者様に対して、痛みを  軽減させる、何が原因で起こった痛みなのかを説明するなど、その時々にか  かわるセラピストの姿勢が患者様の意識の方向付けをしているといっても過  言ではありません。   患者様自身が安心し、治療に取り組める環境を作っていくことが治癒に向  けての第一歩です。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************