◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第16号:2011.3.6           〜 「光」とリラクゼーション 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 「光」とリラクゼーション(1)  ■ 第3回 姿勢制御アプローチ講演会 開催決定!  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────          ■ 「光」とリラクゼーション(1) ■ ───────────────────────────────────  <はじめに>   徐々に陽が延び始めたことにより,寒さが弱まり暖かさが感じられるよう  になりました。朝、布団から出られない生活ももうじき終わるでしょうか。  このように、日照時間(太陽のエネルギー)の変化が気温を変化させ、人の  生活を変化させているという事が感じやすい時期ですが、太陽は気温だけで  なく「光」という面でも人の生活に大きく影響を与えています。   約2000年前に人々は火をおこし太陽以外の「光」を手に入れました。それ  から、オイルランプ、石油ランプと「光」を作り出す手段は進化し、1879年  にはエジソンにより夜を無くす発明、白熱電球が登場します。それから蛍光  灯、現在では LED(発光ダイオード)が生活には無くてはならない「光」と  なっています。しかし、便利な「光」の登場は、同時に人の生活リズムを狂  わせ、ストレスを生んでいるとも捉えることができます。   以前にご紹介した「呼吸と痛みの関連性」にて自律神経と痛みについて述  べました。今回、紹介する「光」も自律神経へ大きく影響します。また、ホ  ルモンや血液、栄養にも関与しています。   そこで今回は、「光」が人体に与える影響を考え、上手く利用し、体を健  康に保つためにストレスではなくリラクゼーションを生むための「光」の活  用方法を紹介させていただきます。  ●「光」が人体へ与える影響 ●   「光」が人体に与える影響とはどのようなものがあるでしょうか。光が人  体に与える影響、またその活用法を2回に分けてご紹介致します。  (1) 太陽光   近年、オーストラリアではオゾン層の破壊とともに紫外線がダイレクトに  人体に影響するようになり皮膚癌発症率が上昇したとの報告がされています。  このため紫外線対策の商品が世の中に出てきました。日光浴は3時間以上し  ない事、日差しの強い時間帯は避ける事、陽を避ける道具を準備しておく事  に注意が必要です。赤ちゃんなどは肌が弱く地面からの反射された太陽光で  も十分であり、強い直射日光にはさらし過ぎない方が良いでしょう。ちなみ  に4月から9月は紫外線が強いシーズンとなりますので注意しましょう。   しかし、長年付き合ってきた太陽光が悪さばかりをする訳がありません。  むしろ、人体に対する好ましい影響がたくさんあります。具体例を挙げると、  ビタミンDの合成(カルシウムを取り入れる役割)、交感神経系への影響、  全体の腺や生殖腺(性器)への影響(若返り効果)、免疫能の向上などがあり  ます。   このことから適度な日光浴は骨を丈夫にし、運動神経を高め、風邪などを  ひきにくい健康な体作りの一助となるといえます。十分に太陽光を浴びてい  ない人は、骨粗鬆症や糖尿病になりやすいということが報告されています。  (2) 皮膚が色を感じる   色は光、つまり電磁波の一種です。電磁波といえば、人体へ影響を与える  赤外線・紫外線・X線などが有名ですが、人の目に見える光(可視光)もこ  の電磁波の一種です。コタツなどに使われる赤外線が温度を上げるように、  その隣にある赤色の光も人の体温を上げる効果があります。色の違いは波長  の違いであり、人体に与える影響もそれぞれの色によって違ってきます。色  (光)は視覚で認知する事、物理的刺激を与える事以外にも人体へ影響を与  えます。最近の報告によると眼の不自由な人に暖色系の部屋に入ってもらう  と、体温の上昇が見られることから、人間は皮膚でも色を感じていることが  判明しました。   目で色を見ること以外に、皮膚は皮膚の好きな色を吸収し、嫌いな色を拒  否します。したがって、皮膚が好む色を身に着ければ心身ともに健康で、皮  膚が嫌う色を無理して着用すれば、ストレスとなり、病気になるといわれま  す。   白は、太陽光線や人工光源の有効成分をすべて透過するので、体を健康に  保つのに役立ちます。このため健康な人の皮膚が好む最高の色は白です。  (3) 赤血球数とヘモグロビンの比率と明暗   最近、赤血球の数とヘモグロビンの比率は暗いところで減少し、明るいと  ころで増加することが知られるようになってきました。赤血球の減少は、顔  面蒼白、浮腫、ふらつきを引き起こし、また、酸素不足による症状として頭  痛、めまい、倦怠感、狭心症、筋肉のこわばりなどが現れます。夜間勤務に  配置転換された人たちの場合は、日光に当たらないために赤血球の数もヘモ  グロビンの量も低減してくるとのことです。   このような状態で長時間の持続的な作業を行ったりすると肩こりや腰痛の  ような痛みを引き起こし易いということが推察されます。このためオフィス  などでは太陽光が入るような窓がある事で慢性痛を軽減し、仕事の効率の向  上が期待されるのではないかと思われます。  (4) 「光」と体内時計   朝、昼、夕、夜と太陽は1日に色をつけてくれています。これは人間が生  活する上でリズムを作り出しています。しかし、エジソンの大発明は夜とい  う色を大きく変えてしまい、体内時計を大きく崩す事となりました。人は呼  吸という小さな周期から睡眠と覚醒、女性では月経周期というリズムをもっ  て生命を維持しています。近年の現代社会の複雑化はこのリズムを崩し、う  つ病や睡眠障害などを引き起こします。   さらに認知症では昼夜逆転の活動(せん妄や深夜徘徊など)が大きな問題  となっていますが、日中に強い「光」を浴びることにより体内時計を正常化  し、せん妄や深夜徘徊が減少するという報告があります。   以上が「光」が与える人体への影響について簡単にまとめたものになりま  す。私たちと密接な関係を持っている「光」の良い面・悪い面をご理解いた  だけたらと思います。   次回はこの「光」の良い面を有効活用するための方法について紹介させて  いただきます。 ───────────────────────────────────      ■ 第3回 姿勢制御アプローチ講演会 開催決定!■ ───────────────────────────────────   「慢性痛疾患」や「運動器不安定症」に対するアプローチに難渋するセラ  ピスト達が声を挙げ、発足した「姿勢制御アプローチ」講演会は、今年で3  回目を迎えることができました。これまでの「形態を見て、形態を変える」  治療手法を見直し、全身の「機能を診て、機能を改善する」手法、すなわち  「姿勢制御アプローチ」による新しい治療の確立と効果立証が期待される時  代に、今まさに入ったといえます。   当講演会では全身の運動連鎖「姿勢制御機構」を考慮したアプローチを基  軸に「速効性のある機能改善手技」に焦点を絞り、第1回の講師陣によるさ  らにパワーアップしたデモンストレーション検証実技をふんだんに踏まえ、  これまでの常識を打ち破り、明確な効果を得られる治療手法をご紹介します。    参加した方々が検証実技からその論理を理解され、日々の臨床に生かせる  論理習得と意識の向上を目的としています。   この機会にぜひご参加ください。  【日程・会場】    ■2011年 9月11日(日) 京都会場:京都テルサ    ■2011年10月16日(日) 東京会場:よみうりホール    ■2011年11月20日(日) 福岡会場:福岡国際会議場  【参 加 費】    ■早期申込み割引  12,000円/1名(税込み)      (2011年7月31日までのお申し込みが割引の対象となります)    ■通 常 参 加 費  15,000円/1名(税込み)  【お申込み】    お申込みは3月中旬頃からホームページで承ります。    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は「光」が人体に与える影響について紹介させていただきました。   私たちの生活と密接に関わる「光」について、ご理解いただけたかと思い  ます。   PTやOTと専門性があることはいいことだと思いますが、セラピストとして  人を癒す手法をたくさん持っている事に越した事は無いと思います。   次回は、簡単にできる光の活用方を紹介いたしますので楽しみにしていて  ください。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************