◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第12号:2010.11.7            〜運動と笑いと免疫〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 運動と笑いと免疫  ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 東京会場が盛会裏に終了しました!  ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2「福岡会場」参加者募集中!  ■ 姿勢制御アプローチ 沖縄特別講演会 参加者募集中!  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会の参加募集を開始しました!  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────             ■ 運動と笑いと免疫 ■ ───────────────────────────────────  <はじめに>   われわれ理学療法士・作業療法士は患者様の身体機能のメカニカルな部分  に着目しアプローチしていくことは当然ですが、個々による不調や疾病状態  からの回復や予防過程には大きな差がみられます。そこには個々の生活習慣  での自律神経系に与えるストレス度合いが身体の免疫機能に大きく関与して  いるからです。   以前当サイトで紹介された医療従事者の接客スキルや心へのアプローチ、  食が及ぼす影響など、我々医療従事者は患者様の総合的な状態把握を必要と  され、よりグローバルなアプローチを提供できるスキルが必要です。   今回は誰しもが実に簡単で日常的に行える免疫向上に対する考え方を1つ  紹介させていただきます。  <運動と笑いと免疫>   近年、笑いが免疫能に及ぼす効果について、心理学、精神生理学、免疫学、  疾病学からの研究が多数発表されており、遺伝子レベルでも報告があります。  「笑いは健康によいし病気も治す」とよいことずくめのさまざまなデータが  発表されています。伊丹らが1992年にがんや心臓病の患者を含む20〜62歳の  19人に、吉本新喜劇で3時間たっぷり笑ってもらったところでNK細胞を調べ  た実験が反響を呼びました。すなわち、多くの被験者でNK活性が高まり、免  疫力の亢進が示唆されたのです。   笑いのレベルの高まりで、呼吸により酸素交換が増し、骨格筋の特に前体  幹筋群(頭部、頸部、胸部、横隔膜、腹部)の活動と心拍数が増大します。  これらの現象は、心血管系、交感神経系を刺激し、カテコールアミンの産生  を促します。つまり、顔面という局所のみではなく、全身的にも適度な活動  状態をつくり出すことになるのです。笑いそのものが運動にも通じる部分が  あるのです。   笑いが血清コルチゾールレベルを下げ、活性化Tリンパ球を増量し、NK細  胞活性を高めることが明らかにされました。化学的、物理的、生物学的、心  理的ストレスを受けると交感神経系の緊張が生じ、精神面では不安を経てう  つ状態になります。一方、身体面では副腎髄質からカテコールアミン、副腎  皮質からコルチゾールが分泌されます。これらのストレスホルモンの過剰な  作用で、血圧、心拍数、血糖値の上昇、血液凝固系の亢進など、生活習慣病  と関連が深いさまざまな反応が生じるのです。   また、コルチゾールの作用で神経伝達物質のセロトニンの分泌量が減りま  す。うつ病の患者ではセロトニン受容体の機能低下が知られており、加えて、  セロトニン受容体ノックアウトマウスは2型糖尿病にいたるといいます。興  味深いことに、笑いセラピーによって2型糖尿病患者の血糖値が低下し、NK  細胞活性を亢進させる遺伝子が活発になることが報告されています。   このほか、関節リウマチ患者では落語鑑賞後に血中コルチゾール値ととも  に炎症を悪化させるIL-6値も低下することが観察されています。   医療や福祉現場で『リハビリ』というと「辛い」や「大変」などのマイナ  スなイメージはいまだ見られています。そこで我々は『笑う門には福きたる』  で、本来の痛みの根源に気づいていただき、痛みや機能が改善する喜びを導  くためのリハビリテーション手法に磨きをかけ、自己医療のなかで笑いや喜  びをもっと提供できる取り組みは非常に重要なことであり、免疫向上の1手  段となると考えます。   引用文献   大野 秀樹 木崎 節子:『運動と免疫 からだをまもる運動のふしぎ』                            有限会社 ナップ ─────────────────────────────────── ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 東京会場が盛会裏に終了しました!■ ───────────────────────────────────   10月24日、首都東京の中心、皇居にほど近い有楽町・よみうりホールにお  いて、姿勢制御アプローチ講演会 Part2の第2回講演会・東京会場が、脇元  幸一先生、福井 勉先生、山口光國先生にご出講いただき、約 300名の参加  者を募り盛会に開催されました。   3人の先生方はいずれも我が国を代表する理学療法士で、迫力ある講演は、  科学的根拠に基づいた、大変興味深く多岐にわたる内容でしたが、京都会場  におけるご意見、リクエストも即座に取り入れられているところは、さすが  に斯界の第一人者という印象を受けました。   京都会場同様、画像・動画を効果的に活用したプレゼンテーション、さら  にデモンストレーション(実演)を随所に交えることで、具体的な最先端の  理論と手技・手法をわかりやすく解説するもので、臨床の現場で活躍されて  いるセラピストのみなさまには必ずお役に立つ内容でした。   講演会の様子はホームページに「会場レポート」として掲載いたしました  のでご覧ください。また、福岡会場は11月に開催を予定しています。  この機会に是非とも「会場レポート」をご参考にご参加を検討いただきます  ようお願いいたします。   東京会場・会場レポート   http://www.koko-kara.info/kensyukai/report/2010_tokyo.html ───────────────────────────────────      「認定及び専門理学療法士制度」ポイント認定研修会   ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 「福岡会場」参加者募集中!■ ───────────────────────────────────   2010年度最後の講演会が11月28日福岡で開催、現在参加者募集中!   今回は Part1に引き続き、「体幹−四肢のバイオメカと心と体の関係」に  焦点を絞った「姿勢制御アプローチ」をテーマに、学術・実践の第一人者の  先生方を講師としてお招きしました。これまでの常識を打ち破り、明確な効  果を得られる治療手法をご紹介いただきます。   参加した方々が新しい知識を習得され、意識の向上と医療の質を高めるこ  とを目的としています。この機会にぜひご参加ください。  ◇ 開催期日    2010年11月28日(日) 福岡会場(福岡国際会議場)  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/part2.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────     ■ 姿勢制御アプローチ 沖縄特別講演会 参加者募集中! ■ ───────────────────────────────────   沖縄特別講演会では「速効性のある機能改善手技」に焦点を絞り、Part1  の講師陣によるさらにパワーアップしたデモンストレーション検証実技をふ  んだんに踏まえ、これまでの常識を打ち破り、明確な効果を得られる治療手  法をご紹介いただきます。    参加した方々が検証実技からその理論を理解され、日々の臨床に生かせる  理論習得と意識の向上を目的としています。   この機会にぜひご参加ください。  ◇ 開催期日    2011年 2月20日(日) 沖縄コンベンションセンター  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/okinawa/index.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────    ■ Spine Dynamics 療法特別研修会の参加募集を開始しました!■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 開催期日    2011年3月13日(日) 日本青年館(東京:神宮外苑・国立競技場横)  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    [トップページ]→[KOKO-KARA研究会主催の研修会]     http://www.koko-kara.info/kensyukai/20110313/index.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   私たちの身体は、交感神経と副交感神経が自動的にオン・オフを繰り返し  て、うまく操縦されています。しかし、ライフスタイルによって、そのオン  ・オフのスイッチが不調となることが原因で痛みを伴ったり体調が乱れたり  することが多々あります。つまり、自律神経コントロールが乱れることで、  生体恒常性が保てなくなり自己治癒能力が低下することで慢性的な痛みを誘  発することにつながります。   身体をいずれにも傾かない中庸な状態に維持することが、病気からの離脱  や不調や疾病状態からの回復、病気の予防など健康で楽しい生活へ向ける重  要な部分であることを常に念頭におき、これからも患者様が出来る限り最短  のルートで自己治癒を実現できる援助者となれるよう当サイトを利用して情  報の共有と発信をしていきたいと思います。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************