◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第8号:2010.6.27            「心のストレス」に着目して            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇  「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 「心のストレス」に着目して  ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 参加者募集中!  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────           ■ 「心のストレス」に着目して ■ ───────────────────────────────────  (1) 「心のストレス」が体に与える影響   当研究会の代表世話人である脇元幸一氏が提唱する「spine dynamics療法」  において、脊柱弯曲運動の阻害因子の大きな一つに「心のストレス」があり  ます。ネガティブな情動反応、つまり「心のストレス」やそれに伴う交感神  経活動異常は胸椎側副筋スパズム亢進を招き、胸椎の弯曲運動障害を、さら  には胸椎フラット化や sway-backを引き起こすことが予測されます(詳細は  当研究会のコミュニケーション広場内スレッド『肩こりを語ろう』No.12  「提言」をご参照ください)。   前回の呼吸法や前々回のATトレーニングは「心のストレス」の結果生じる  交感神経活動異常に対して有効な間接的方法となります。今回は直接的に  「心のストレス」にアプローチする方法をお伝えしたいと思います。  (2) 「心のストレス」軽減法   「心のストレス」への直接的アプローチ方法の1つとして、サイモントン  療法をご紹介させていただきます。   サイモントン療法とは、世界の心理社会腫瘍学の権威(故)カール・サイ  モントン博士(1942年〜2009年)による、がん患者とそのサポーター(家族  等)のための癒しのプログラムです。健康を取り戻し、人生の質(QOL)を  高める心の在り方を学ぶものです。   近年では癌だけでなく、ストレスを起因とするあらゆる病気に応用され、  成果をあげている心理アプローチ療法です。病気の人だけではなく、健康な  人でも人生の質の向上に有効な療法となります。   この療法では様々なエクササイズが考案され、体系化されています。今回  はその中でも比較的手軽にでき、かつ重要なエクササイズを1つご紹介した  いと思います。   それは「喜びリストの作成」です。   古い歴史のある中国医学やインドのヴェーダ医療でも、生命エネルギーを  高めるのにもっとも効果的なのが、喜びや深い充足感などの幸福感がある状  態を作ることだと教えているそうです。しかし、体の状態が悪い時、痛みや  病気を患っている際は、「自分にとって悪いものは何か」にばかり注意が向  いてしまい、「自分にとって何が良いか」に目を向けることが忘れられてし  まいます。その状態から抜け出す具体的な方法がこの「喜びリストの作成」  です。   では、次に、リスト作成と利用方法について具体的に説明させていただき  ます。  (3) 喜びリストの作成法と利用法  ・まず一枚の紙を用意します。なんでもかまいません。  ・その紙にあなたの人生に喜びを与えるもの、深い充足感を与えるもの、人   生に意義を与えるもの、または単純にワクワクするものを、具体的に書き   出していきます。  ・最低5つはあげるようにします。唯一無二の喜びとなると、その喜びに執   着してしまうので、リストの中身はできるだけ多い方が望ましいです。  ※喜びリストの例   家族や大切な人との時間、友人との時間、動物と触れ合う時間、植物と触   れ合う時間、自然と触れ合う時間、運動、仕事、温泉めぐりや入浴、音楽   鑑賞、楽器演奏、宗教活動、地域活動、土いじり、観劇、読書、学習、買   い物、お洒落、旅行などなど。   以上が「喜びリストの作成」方法になります。方法は非常に簡単ですが、  大事なのはリストを作成した後です。リストの作成が目的ではなく、日常生  活の中にリストに挙げた喜びを多く実行するように心がけることが大切にな  ります。   実際にそれらの活動が実行できない場合は、そのことをイメージするだけ  でも同じような効果をもたらします。   リストはできれば身近な所に所持して、いつでも見られるようにしておく  といいでしょう。なぜなら、先程もお伝えしたように、状態が悪い時は「自  分にとって悪いものは何か」に注意が向いてしまいがちだからです。   また、価値観も不変なものではなく日々変遷していくものです。最初に作  ったリストが全てではないので、その都度付け加えたりしながら「喜びリス  ト」を発展させていくことが重要となります。このような要領で自分にとっ  て幸福感をもたらしてくれるものを日常生活に多く取り入れ、少しでも「心  のストレス」の軽減を図っていくことにより、身体機能向上のアプローチと  の相乗効果が得られるものと思います。   私も実際、臨床でこの方法を取り入れております。この「喜びリストの作  成」により、リハビリを取り組む姿勢が以前に比べ、良い方向に大きく変わ  った経験を何度となくしております。   まずは、皆様、ぜひご自身でお試しください!  (4) 「心のストレス」軽減法に関する書籍   上記の「心のストレス」軽減法でご紹介させていただいたサイモントン療  法に関する書籍等をご案内させていただきます。より詳細な情報が得られる  と思いますので参考にしてください。  ●がんのセルフ・コントロール:カール・サイモントン、ステファニー・M   ・サイモントン  ●がん治癒への道:カール・サイモントン、リード・ヘンソン  ●がんのイメージ・コントロール法:川畑伸子  ●NPO法人サイモントンジャパン URL:http://www.simontonjapan.com/ ───────────────────────────────────      ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 参加者募集中! ■ ─────────────────────────────────── ◇ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 ご参加のおすすめ   今回は Part1に引き続き、「体幹−四肢のバイオメカと心と体の関係」に  焦点を絞った「姿勢制御アプローチ」をテーマに、学術・実践の第一人者の  先生方を講師としてお招きしました。これまでの常識を打ち破り、明確な効  果を得られる治療手法をご紹介いただきます。   参加した方々が新しい知識を習得され、意識の向上と医療の質を高めるこ  とを目的としています。この機会にぜひご参加ください。 ◇ 開催期日   2010年 9月26日(日) 京都会場(京都テルサ)   2010年10月24日(日) 東京会場(よみうりホール)   2010年11月28日(日) 福岡会場(福岡国際会議場) ◇ 参加費   19,000円/1名(税込み)    ※ 2回目以降の方、団体参加の方には割引きがあります。      Part1(前回)参加の方  18,000円/1名      団体割引:5〜9名様まで 17,500円/1名           10名様以上  16,500円/1名 ◇ プログラム(10:00〜17:30)   講演1 Spine Dynamics理論 Part1       〜全ての慢性疼痛疾患の治療対象は            「慢性疼痛を許している身体物理的環境」である〜         脇元 幸一         清泉クリニック整形外科 スポーツ医学センター施設長   講演2 身体姿勢制御         福井 勉         文京学院大学 保健医療技術学部 教授   講演3 心とカラダの動きをいかに促すか         山口 光國         有限会社フィジストレーナー 代表取締役 ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!   [トップページ]→[KOKO-KARA研究会主催の研修会]    http://www.koko-kara.info/kensyukai/index.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は「心のストレス」への直接的方法の1つを紹介させていただきまし  た。   私は理学療法士ですが、理学療法士は身体機能のプロフェッショナルであ  るべきです。しかしながら、身体機能面へのアプローチは1つの歯車に過ぎ  ないとも思っています。もう1つの重要な歯車は「心の状態へのアプローチ」  だと思います。この2つの歯車が一緒に回ることにより初めて前へ前進でき  るのではないでしょうか。   身体機能面の知識、技術の向上と共に、心理面へのアプローチも充実させ  ていきたいと思っております。ぜひ、皆様と共にコミュニケーション広場等  を利用して身体機能面だけでなく心理面に対する意見をも交わしていければ  と思います!   最後にカール・サイモントン博士がご自身の著書に記した言葉をご紹介し  て今回のメルマガを終わりにいたします。  「いろいろな感情が、体内の免疫系や他の様々な治癒系に大きな影響を与え  うる、ということをしっかりと認識することがとても大切です。そのとき初  めて、我々は感情的なストレスを意識的に軽減するのに有効な方法を学ぶこ  とができ、人生の真の豊かさを満喫できるのですから。この気づきを通して、  我々はクオリティ・オブ・ライフ(生命・生活・の質)を改善させ、病気の  経過にも大きな影響を与えることができるのです。こうした単純な行為によ  って、医学界のみならず世界の様々な文化を根本から変えることができるの  です。」 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************