◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第7号:2010.5.30              呼吸と痛みの関連性            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇  「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 呼吸法、痛み、自律神経  ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 参加者募集中!  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────            ■ 呼吸法、痛み、自律神経 ■ ───────────────────────────────────   呼吸は生体が生命を維持するために必要な酸素を取り入れ、物質代謝の結  果生じた炭酸ガス(二酸化炭素)を排出する働きであることは一般的な常識  としてご承知の通りと思います。この呼吸運動を左右しているのが自律神経  であり、自律神経はその他にも心臓をはじめとして生体恒常性を維持するた  めに働くとともに筋活動にも影響を及ぼします。   呼吸運動は、延髄にある呼吸中枢と自律神経によって調節されています。  胸髄の後索では、体性神経と自律神経が強いシナプスを形成しており、自律  神経のインパルスが体性神経を通じて直接呼吸筋を調整しています。そのた  め呼吸筋を含む胸椎、胸郭の運動は胸髄に存在する交感神経節の影響を受け  やすい部位になります。   物理的ストレス(体力低下による抗重力筋弱化・荷重関節機能障害)によ  る交感神経機能が優位な環境に至る慢性疼痛疾患は、交感神経活動異常によ  る安静時筋緊張が亢進するとともに、呼吸は浅くかつ速くなり吸気が強調さ  れ換気効率低下に至る可能性があります。また、四肢末梢の血管運動障害を  発生させる要因にもなります。これを改善させるためには交感神経の抑制  (副交感神経の活性)が必須であり物理的・反射的・心因的ストレスを反映  している姿勢制御機構を正常化する手法を用いることで改善できることを多  く経験しています。   さらに、自律神経を唯一コントロールできるのが呼吸であるため、呼吸法  を意識させながら運動療法(筋力増強やストレッチなど)を行うことが有効  とされています。また、強度な反射性スパズムを伴った疾患や自律神経症状  を呈する症状の場合、ホームエクササイズを指導する場合には呼吸法がもっ  とも安全かつ簡便で効果を得られやすい手法と思われます。   今回紹介する呼吸法は、世界の統合医療の第一人者であるアンドルー・ワ  イル氏が提唱する呼吸法(4・7・8呼吸法)であり、簡便に誰でもできる  手法として多く用いられています。  <呼吸法の進め方>   1) 鼻からゆっくり4秒かけて呼気を行います(腹式呼吸)   2) 吸いきったところで、7秒間呼吸を止めます(換気効率向上)   3) その後、ゆっくり口から8秒かけて呼気を行います。吸気より呼気を長    くします(交感神経活動抑制)   4) 1)〜 3) のプロセスを4〜5回繰り返します。これが1セットで、この    呼吸法を1日4〜5回繰り返します   この方法を行い、ゆっくりとした長い呼吸を繰り返すことで交感神経活動  が抑制されその結果リラクゼーションや循環(血行)状態も安定して安静時  の筋スパズム改善へとつながります。   どうぞみなさんお試しください。 ───────────────────────────────────      ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 参加者募集中! ■ ─────────────────────────────────── ◇ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 ご参加のおすすめ   今回は Part1に引き続き、「体幹−四肢のバイオメカと心と体の関係」に  焦点を絞った「姿勢制御アプローチ」をテーマに、学術・実践の第一人者の  先生方を講師としてお招きしました。これまでの常識を打ち破り、明確な効  果を得られる治療手法をご紹介いただきます。   参加した方々が新しい知識を習得され、意識の向上と医療の質を高めるこ  とを目的としています。この機会にぜひご参加ください。 ◇ 開催期日   2010年 9月26日(日) 京都会場(京都テルサ)   2010年10月24日(日) 東京会場(よみうりホール)   2010年11月28日(日) 福岡会場(福岡国際会議場) ◇ 参加費   19,000円/1名(税込み)    ※ 2回目以降の方、団体参加の方には割引きがあります。      Part1(前回)参加の方  18,000円/1名      団体割引:5〜9名様まで 17,500円/1名           10名様以上  16,500円/1名 ◇ プログラム(10:00〜17:30)   講演1 Spine Dynamics理論 Part1       〜全ての慢性疼痛疾患の治療対象は            「慢性疼痛を許している身体物理的環境」である〜         脇元 幸一         清泉クリニック整形外科 スポーツ医学センター施設長   講演2 身体姿勢制御         福井 勉         文京学院大学 保健医療技術学部 教授   講演3 心とカラダの動きをいかに促すか         山口 光國         有限会社フィジストレーナー 代表取締役 ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!   [トップページ]→[KOKO-KARA研究会主催の研修会]    http://www.koko-kara.info/kensyukai/index.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は、「呼吸と痛み」についてご紹介しました。生命を維持していく上  で栄養(食事)・寝る(安静)・遊ぶ(運動)はどれも必要不可欠なもので  す。特に生命が誕生して活動を終えるまで維持していこうとする運動は「呼  吸」になります。   呼吸は身体の神経系の中で随意的にコントロールできる唯一の器官でもあ  ります。また、血圧が高い方や疼痛が強くて運動ができない方でも、呼吸を  上手くコントロールすることで交感神経活動が抑制され安静時筋スパズムが  改善できるトレーニングの一つにもなります。   これからも呼吸法を意識しながら運動療法に取り組んでみてください。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************